お客様の声は“宝”じゃない?使いこなすための新発想
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2025.07
更新:
「お客様の声は宝」
こちらはよく耳にする言葉。確かに、実際にサービスや商品を体験した人の声には信頼や安心感があります。ホームページやチラシにお客様の声を掲載している企業も多いでしょう。
しかし、その“宝”をただ飾っているだけになっていませんか?
ただ「褒めてもらってよかった」で終わっているケースが多いのが現状です。
お客様の声は、掲載するだけでなく、どう活かすかが鍵です。
この記事では、お客様の声を単なる「口コミ」以上に活かすための新発想を具体例とともにご紹介します。読み終わるころには、あなたの企業やサービスに合った「お客様の声の磨き方」が見えてくるはずです。
「宝」の落とし穴?よくある3つの誤解
「お客様の声=宝」という考えは魅力的ですが、そのまま信じるのは少し危険です。以下の3つの理由を理解しておきましょう。
(1)良い口コミばかりはかえって不信感を生む
たとえばホームページに、全員が絶賛するコメントだけが並んでいるとします。するとユーザーは「これ、本当に本物?」と疑い始めます。
これは口コミの信頼性が損なわれる大きなリスクです。現代の消費者はネット上の広告や投稿の真偽を敏感に見極めています。
そのため、多少の弱みや正直な意見も混ぜることで、リアルさや誠実さが伝わりやすくなります。
(2)共感されるとは限らない
「すごく良かった」「感動しました」という表面的な声だけでは、読み手に届きにくいことがあります。
なぜ良かったのか、どんな場面で役に立ったのか、背景や具体的なエピソードがないと印象が薄くなりがちです。
共感は「自分も同じ状況で役立ちそう」と思わせることから生まれます。
(3)掲載だけでは効果につながらない
お客様の声はただ単に並べるだけでなく、どこに、どんな文脈で載せるかが重要です。
例えば、商品紹介ページとFAQページで使い分ける、ターゲットに合わせて見せる順番を変える、などの工夫で反響は大きく変わります。
声に「ストーリー」を持たせる
お客様の声は単なる断片的なコメントではなく、体験談というストーリーとして伝えると効果的です。
人は物語形式で語られる情報に感情移入しやすく、説得力が増します。
1.ストーリーの基本構成
背景にどんな悩みや問題を抱えていたのか。
2.出会い
どうしてこの商品やサービスにたどり着いたのか。
3.体験
実際に使ってみてどう感じたのか。
4.変化や成果
どんな結果が得られたか、生活や仕事がどう変わったか。
例えば、整体院の事例で「肩こりに悩んでいたが、ここに通い始めてから改善し、仕事中の集中力が上がった」というストーリーがあれば、ユーザーは自分の姿を重ねやすくなります。
ターゲット別に活かす工夫
誰に伝えたいかによって、お客様の声の選び方や見せ方は変わります。
・子育て世代向けなら「忙しい毎日でも短時間で効果があった」など、具体的なメリットを強調。
・シニア向けなら「使い方が簡単で、スタッフの対応が親切だった」など安心感を伝える。
・法人向けには「対応がスピーディーでトラブルがなかった」など信頼面を強調。
複数のターゲット層がある場合は、それぞれに響く声を用意し、訪問者が自分に近い声を見つけられるように工夫すると効果的です。
よくある不安への“リアルな答え”に使う
購入や問い合わせの前には、誰しも不安や疑問があります。
「自分に合うか」「本当に効果があるか」「価格に見合う価値か」など。
これらの不安に対して、実際のお客様の声が非常に強力な説得材料になります。
たとえば、
「最初は価格が高く感じましたが、実際に使い始めてから効果を実感し、今では満足しています」
「同じ悩みを持っていた私でも安心して利用できました」
このような声は、企業の説明文よりも具体的でリアルに響きます。
FAQやお客様がよく問い合わせる内容のそばに声を配置すると、安心感を増す効果が期待できます。
お客様の声は“集め方”から差がつく
声の活用は「集めるところ」から始まります。
良質な声を得るためには、集め方にも工夫が必要です。
聞き方を工夫する
ただ「感想ください」だけでは抽象的で薄い声にとどまります。
具体的に質問すると、リアルな声が集まりやすくなります。
例:
「購入前にどんなことが不安でしたか?」
「使ってみて一番うれしかったことは何ですか?」
「迷っていた他の商品と比べて、なぜこちらを選びましたか?」
会話形式で深掘りする
アンケートだけでなく、電話やオンラインで直接話を聞くと、思わぬエピソードや感情が引き出せます。
短時間でも、声の質が格段にアップします。
継続的に集める仕組みを作る
・来店時に一言メモを書いてもらう
・LINEやSNSで気軽に投稿できるようにする
・サービス利用後に自動でアンケートを送る
こうした仕組みがあれば、定期的に新しい声が集まります。
協力へのお礼も大切
お客様に声を届けてもらうには、協力の感謝を示すこともポイントです。
割引クーポンやノベルティ、掲載特典を用意すると、積極的な参加を促せます。
掲載時に注意したいポイント
掲載時には、以下の点も忘れずに押さえましょう。
・無理に良い声だけ集めない
あえて「気になる点もあったけど最終的には満足した」という声を載せると、信頼感が増します。
・ネガティブな声も改善ストーリーとして活かす
クレームはチャンスです。
「ご指摘を受け改善しました」と伝えることで、誠実な姿勢を示せます。
・掲載許可は必ず取る
氏名や写真、会社名を掲載する場合は、必ず明確な許可を得ましょう。
書面やメールで記録を残すのが安心です。
まとめ
お客様の声の価値は“使い方”で決まる
お客様の声はただの“飾り”ではなく、正しく活かすことで大きな説得力と信頼を生む武器になります。
どんなに良い声でも、ただ載せているだけでは伝わりません。
ストーリーにして感情移入を促し、ターゲット別に使い分け、不安を払拭する材料として配置し、質の高い声を丁寧に集めること。
これらの積み重ねが「お客様の声を宝」に変えるカギです。
今ある“声”を磨いて、ぜひ効果的に使いこなしてください。きっと新しい価値が見つかるはずです。
お気軽にご相談ください。



