AIをいちばん使っているのは、誰? 職種別・役職別の利用率と、これから求められる力
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2026.10
更新:
AIを使っているのは、IT系の人だと思っていた
「AIをいちばん使っているのは、IT系の人でしょう」
少し前まで、私もそう思っていました。
ところが最近、こんな話を聞きました。
「AIを本当に使い倒しているのは、エンジニアよりもマネージャーや管理職らしい」
制作会社のデザイナーとしては、ちょっと意外な話です。
本当だろうか。気になって、2026年に出ている調査をいくつか見てみました。
結論から言うと、半分当たっていて、半分は見方の問題でした。
そして調べていくうちに、「これからどんな人が求められるのか」という、もっと大きな話につながっていきました。
職種別と役職別で、順位が変わる
職種別で見ると、差は意外に小さい
まず職種別。2026年6月に行われた、オフィス系7職種の調査です。
職種別の生成AI利用率(2026年6月・GiftX調査)
| 順位 | 職種 | 利用率 |
|---|---|---|
| 1位 | エンジニア | 74.7% |
| 2位 | マーケティング | 73.7% |
| 3位 | 経営・経営企画 | 73.2% |
| 4位 | カスタマーサクセス | 69.7% |
| 5位 | 営業 | 62.4% |
| 6位 | 管理部門 | 61.1% |
| 7位 | デザイナー | 60.3% |
※参考:製造29.0%、物流23.6%、全職種平均47%

1位はたしかにエンジニアです。でも、マーケティングや経営企画との差は1〜2ポイント。「IT系が圧倒的」ではありません。
デスクワークの職種なら、どこも6〜7割が使っている。そういう状況です。
ちなみにデザイナーは7職種の最下位でした。これはこれで、別の記事で考えたいところです。
役職別で見ると、管理職が圧倒する
次に、職種ではなく「役職」で見てみます。パーソル総合研究所の調査(正規雇用者3,000名)です。
役職別の生成AI業務利用率(2025年10月・パーソル総合研究所)
| 役職 | 利用率 |
|---|---|
| 部長 | 62.0% |
| 課長 | 58.3% |
| 役員 | 43.6% |
| 代表取締役・社長 | 40.2% |
| 一般社員・従業員 | 35.5% |

ここで順位が変わります。
部長・課長が6割前後、一般社員は3割台。差は20ポイント以上あります。
別の調査では課長クラス67.3%に対して一般社員25.4%と、もっと開いているものもありました。
「若い人ほどAIを使っている」というイメージがありますが、会社の中では逆です。
中間管理職が、いちばん使っている。
聞いた話は、役職で見れば本当でした。
- POINT:
職種で見ると、デスクワーク系はどこも6〜7割で差は小さい
役職で見ると、部長・課長が6割前後、一般社員は3割台と大きな差
「AIはIT系のもの」ではなく、「管理する人のもの」になりつつある
なぜ管理職なのか。社内のチャットが「会社のビッグデータ」になっている
管理職の仕事は、AIと相性がいい
なぜ管理職なのか。
調査では、AIで削減できた時間がいちばん大きい業務は「企画・相談・思考整理」「文書・資料作成」「データ分析・レポート」でした。
つまり、情報を集めて、整理して、判断して、人に伝える仕事。これは管理職の仕事そのものです。
コードを書く、デザインを作るといった「手を動かす仕事」より先に、「考えて、まとめて、伝える仕事」のほうがAIに乗りやすかった。
エンジニアより管理職が使っている理由は、ここにあると思います。
SlackやChatworkが、そのまま会社のデータになる
もうひとつ、現場で感じていることがあります。
社内のやり取りをSlackやChatworkで行っている会社ほど、AIとの相性がいい。
理由は単純で、社内の情報が全部そこに溜まっているからです。
誰が何をいつ頼んで、どう返したか。案件がどう動いて、どこで詰まったか。お客様が何を気にしているか。
今までは「流れていくだけ」だったチャットが、AIに読ませた瞬間に、その会社だけのビッグデータになります。

ツールにはできない、AIの柔軟さ
会社ごとに、仕事はまったく違う
ここに、既存のツールとの決定的な違いがあります。
人事評価ツール、タスク管理ツール、スケジュール管理ツール。世の中には良いものがたくさんあります。
でも、使ってみると必ず「うちの仕事とは、ちょっと違う」が出てきます。
会社ごとに業務の流れも、言葉も、大事にしていることも違うからです。
ツールは「平均的な会社」に合わせて作られているので、どうしてもズレが残ります。
AIは、そこが違います。
その会社のチャットを読んで、その会社の言葉で、その会社の流れに合わせて動きます。
「ツールに仕事を合わせる」のではなく、「仕事にAIが合わせる」。この柔軟さは、既存のツールにはありませんでした。
既存ツールへの「逆風」
実際、この変化は市場にも出ています。
報道によると、2026年2月にはAIエージェントの台頭を受けて、アメリカのソフトウェア株が1か月で約15%下落し、2008年以来の大きな下げ幅になりました。
「ツールでやっていたことを、AIがやってしまう」という懸念が、株価に表れた形です。
ツールが要らなくなる、とまでは思いません。
ただ、「ツールを入れれば解決する」時代から、「AIにうちの仕事を覚えさせる」時代に変わりつつある。そう感じています。
全社員が、管理職の考え方をする時代
作業的なこと、技術的なことは、AIに移っていく
ここからは、私の考えです。
コーディングやプログラミングもそうですが、「作業的なこと」「技術的なこと」は、AIに取って代わられる方向に進んでいくと思います。
正しい手順で、速く、間違えずにやる。そこはもう、人がAIに勝てる領域ではなくなってきました。
では、人には何が残るのか。
大事なのは、スピードではなく「指示」と「判断」
AIを使って成果が出る人と出ない人の差は、業務効率や作業スピードではありません。
AIにどんな指示を出せるか。そして、返ってきた答えに、どんな判断を下せるか。
ここで差がつきます。
これは、まさに管理職がやってきた仕事です。
部下に指示を出し、上がってきたものを見て、判断する。
管理職がAIをいちばん使っているのは、偶然ではなく、仕事の型がもともと同じだったからだと思います。

そして、これからは全社員がこの型で働くことになります。
新人であっても、AIという「部下」に指示を出し、その答えを判断する。全社員が管理職のような考え方をする時代です。
受け取ったものを、社内にどう広げるか
もうひとつ、重要になるのがコミュニケーションです。
AIから得たアウトプットを、自分の中で終わらせず、チームにどう伝えて、どう広げるか。
AIが速くなればなるほど、人と人の間の「伝える力」がボトルネックになります。
- POINT:
これから求められる3つの力
① AIに、何をどう頼むか(指示)
② 返ってきたものを、どう見極めるか(判断)
③ それを、社内にどう広げるか(コミュニケーション)
職人の時代が、終わろうとしている
これまでの長い間、職人のような技術力を持った人材が重宝されてきました。
その流れが、本格的に変わろうとしています。
思い出すのは、写植職人の話です。
かつて印刷物の文字は、写植という専門の機械で、職人が一文字ずつ組んでいました。
それが1990年代、DTPでパソコンから文字が組めるようになると、写植職人の多くが、数年のうちに仕事を失いました。
技術が高かったから残れた、ということはありませんでした。

今、同じことが、もっと広い範囲で起きようとしている。
歴史の転換期を、また迎えている感じがします。
まとめ
「何ができるか」から、「何を頼み、どう判断するか」へ
AIをいちばん使っているのは、役職で見れば管理職でした。
それは管理職の仕事が「集めて、整理して、判断して、伝える」ことだからで、この型は、これから全社員のものになります。
技術や作業はAIに移っていく。人に残るのは、指示と判断と、それを広げるコミュニケーション。
職人の時代から、全員が管理職の時代へ。
アートバイブスも、ホームページを作る会社として、この転換期の真ん中にいます。
「AIをどう仕事に入れたらいいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。うちで試したことなら、お話しできます。
お気軽にご相談ください。




