犬の動画しか出てこなくなった話。フィルターバブルと、わざと興味のないものを見る習慣
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2026.10
更新:
気づいたら、猫が消えていた
最近、動画アプリを開くと犬の動画ばかり出てきます。
犬は好きです。でも、猫も好きなんです。
ある日ふと気づきました。猫の動画が、1本も出てこない。
何か設定を変えた覚えはありません。ただ、犬の動画を何本か続けて見ただけ。それだけで、アプリの中から猫がいなくなっていました。
些細な話です。でも、「情報の取捨選択って、こんなに自動で、こんなに静かに進むのか」と、少しぞっとしました。
今回は、そういう雑談です。
ネットが「自分に忖度」し始めている
便利さの副作用
インターネットは本当に便利です。検索するたびに自分の知りたいことに寄せてくれて、求める情報がどんどん手に入りやすくなる。人類の進化を加速させた道具のひとつだと、本気で思っています。
ただ、その便利さには見えにくい副作用があります。
道具が優秀すぎるせいで、自分の興味に合った情報ばかりが表示されるようになり、興味のない情報が軒並み排除されていく。
気づかないうちに、自分の見える世界が狭まっていく。
犬と猫の話は、そのいちばん分かりやすい例でした。

誰も悪くない、というのが厄介
これは、誰かが意地悪をしているわけではありません。
アプリは「あなたが喜ぶもの」を出そうとしているだけです。私が犬を見た、だから犬を出す。正しく動いています。
誰も悪くないのに、結果として世界が狭くなる。ここが厄介なところです。
フィルターバブルと、もうひとつの罠
フィルターバブル
この状況を「フィルターバブル」と呼びます。
自由に情報を探せるはずのインターネットで、知らないうちに自分向けに濾過された情報の泡の中に閉じ込められている。少し怖い言葉ですよね。

確証バイアス
もうひとつ、セットで知っておきたいのが「確証バイアス」です。
人は、自分の考えに合う情報を集めて、合わない情報を軽く見る癖があります。
フィルターバブルの中でこれが起きると、偏った考えに偏った情報が供給され続けて、偏りがどんどん固まっていく。
厄介なのは、これが無自覚に起きることです。
意識して避けないと、気づいたときにはどっぷり浸かっています。
- POINT:
フィルターバブル=道具が、自分の興味に合わせて情報を濾過する
確証バイアス=自分が、自分の考えに合う情報を選んで信じる
この2つが組み合わさると、偏りが自動で強化される
「ちゃんと調べた」のに噛み合わない理由
お互いに、調べている
ひとつの物事について、意見が真っ二つに割れて、不要な言い合いになることがあります。
よく見ると、どちらも「ちゃんと調べた」と思っている。
それなのに話が噛み合わない。
その背景に、この情報の偏りがあることは多いと思います。
同じキーワードで検索しても、私とあなたでは出てくる結果が違う。それぞれが自分の泡の中で「調べた」結果を持ち寄っているので、噛み合うはずがありません。
情報量は増えたのに、知識が広がらない
もうひとつの弊害は、毎日たくさん情報を見ているはずなのに、知識が広がらないことです。
情報量は増えている。でも、見ているのはずっと同じ範囲。
犬の動画を100本見ても、猫のことは何も分からないのと同じです。
仕事でも、思い当たることがあります。
同じ業界のサイトばかり見ていると、「かっこいい」の基準がその業界に寄っていく。別の業界の人から見るとまったく違う感覚なのに、自分の中ではそれが当たり前になっている。
これも、小さなフィルターバブルだと思っています。
わざと興味のないものを見る、3つの習慣
対策は、特別なことではありません。
「意識して、泡の外を見に行く」。それだけです。私がやっているのは3つ。

① シークレットウィンドウで検索する
ブラウザのシークレットウィンドウは、自分の履歴が効かない状態で検索できます。
同じキーワードを普段のウィンドウとシークレットで検索して、結果を比べてみてください。並び順が違っていたら、それが自分の泡の形です。
② 興味のない分野の本を1冊読む
ネットと違って、本は著者が意図して構成した情報です。自分が選ばないテーマに、まとめて触れられます。
おすすめは、本屋で「普段なら絶対に手に取らない棚」に行くこと。選ぶ基準を自分から外すのがコツです。
③ 違う世代・違う業界の人と話す
いちばん効くのは、これだと思います。
自分とは違う泡の中にいる人と話すと、「え、そんな見え方なんですか」が必ず出てきます。その驚きが、泡の外の入口です。
- POINT:
泡の外を見に行く3つ
① シークレットウィンドウで同じ検索をして、結果を比べる
② 普段選ばない棚の本を1冊
③ 違う世代・違う業界の人と話す
まとめ
「自分が調べた情報」を、少し疑えるようになる
フィルターバブルと確証バイアス。この2つを知っておくだけで、意見の違いへの向き合い方や、自分の知識を疑う視点が身につきます。
「自分がちゃんと調べた情報」が、実は偏っているかもしれない。そう思えるだけで、物事の見方はずいぶん変わります。
何事も決めつけず、可能性を探す。改めて、大事なことだと思いました。
「最近、同じ話題ばかり目に入るな」と思ったら、まずシークレットウィンドウで同じキーワードを検索してみてください。
私はこのあと、わざと猫の動画を見に行きます。
お気軽にご相談ください。
意識的に抜け出すための習慣
こういった状況を避けるために、私自身が意識していることをいくつか挙げてみます。
シークレットブラウザで検索する
履歴や Cookie の影響を受けないため、パーソナライズされていない検索結果が表示されます。※Cookie とは:ブラウザが記録しているユーザーの行動履歴のようなものです。
テレビを見る
アルゴリズムで選ばれていないコンテンツに触れられる、意外と貴重な機会です。
本を読む
ネットの情報とは異なり、著者が意図して構成した情報に触れられます。自分の興味外のテーマに出会いやすい。
どれも特別なことではないですが、意識して習慣に取り入れるだけで、見える情報の幅が少し変わってきます。
まとめ
まとめ
フィルターバブルや確証バイアスを知っておくだけで、意見の相違への対応や、自分の知識を疑う視点が身についてきます。「自分がちゃんと調べた情報」が、実は偏っているかもしれない——そう思えるだけで、物事の見方がずいぶん変わります。
何事も決めつけず、可能性を見つけていく姿勢が大事だと、改めて感じています。
「なんか最近、同じ話題ばかり目に入るな」と思ったら、まずシークレットブラウザで同じキーワードを検索してみてください。見える景色が少し変わるかもしれません。
お気軽にご相談ください。




