「なぜ、これが伝わらないのか」世代間ギャップの正体と、同じ言葉で話すために
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2026.10
更新:
「なぜ、これが伝わらないのか」
後輩に何かを教えていて、「なぜ、これが伝わらないのか」と思ったことはありませんか。
自分が先輩に習ったとおりに伝えているのに、通じない。社会の常識、業界の常識のつもりで話しているのに、首をかしげられる。
一方で、後輩の側から見ると、「なんでそんなことをしているのか分からない」。
世代の間には、大きな溝があります。
今回は、その溝の正体と、どうすれば同じ言葉で話せるようになるのか、という話です。
「なぜこれが伝わらないのか」と思ったことのある先輩・上司に向けて書きます。
紀元前から、ずっと同じことを言っている
粘土板に刻まれた愚痴
「若者はわがままで怠惰だ」
紀元前3800年頃のシュメールの粘土板にも、そう書いてあったと言われています。
つまり世代間のギャップは、人類がずっと繰り返してきたことで、今に始まった話ではありません。
ある意味、人類の伝統芸能のようなものです。
「うちだけ」ではない
まずここを押さえておくと、少し気が楽になります。
「うちの会社だけがおかしい」のではなく、「人が集まって時間が経てば、必ず起きること」。
そこがスタート地点です。
溝の正体。同じ国で育っても、時代が違えば文化が違う
先輩に習ったことが、後輩に伝わらない
溝は、具体的にはこういう形で現れます。
自分が先輩に習ったことを、そのまま後輩に伝えても伝わらない。
社会の常識、業界の常識だと思っていたことが、通じない。
後輩の側からは、「なんでそんなことをしているのか分からない」。
どちらも、相手を困らせようとしているわけではありません。
ただ、噛み合っていない。

時代が違えば、文化が違う
同じ国、同じ土地で育っても、時代が変われば文化は変わります。
10年違えば、当たり前だったことが当たり前でなくなる。
世代の溝とは、同じ会社の中に違う文化の人が同居している状態だと思えば、少し見え方が変わります。
伝わらない理由は、はっきりしている
伝える側が、「なぜ必要か」を分かっていない
では、なぜ伝わらないのか。
答えは、もう出ていると思っています。
伝える側が、「なぜそれが必要なのか」を分かっていないことが多いからです。
「仕事だから」「常識だから」「ルールだから」
伝わらないときの説明を、よくよく読み返してみてください。
「仕事だから」「常識だから」「ルールだから」「〇〇だから」。
理由のように聞こえて、理由になっていない理由が、たくさん混ざっていないでしょうか。

なぜそうなるのか。
きっと、先人から教わったことを、そのまま後進に伝えているからです。
自分も「そういうものだ」と教わった。だから、同じように「そういうものだ」と伝える。
そこに「なぜ」が抜けたまま、世代をまたいで受け渡されていく。
- POINT:
伝わらないのは、相手の理解力の問題ではない
「仕事だから」「常識だから」は、理由になっていない理由
先人から教わったことを、「なぜ」抜きでそのまま伝えている
情報格差が、そのまま世代間ギャップになった
昔は、上司と先輩がほぼ唯一の情報源だった
もうひとつ、この問題を大きくしている背景があります。
昔は、情報が少なかった。
ネットもなく、仕事について判断するための情報は、上司や先輩から聞くものがほとんどでした。
だから「先輩の言うことを、まずそのままやってみる」は、合理的な学び方だったんです。
今は、先輩の知識がネットで手に入る
今はもう違います。
昔は手に入らなかった先輩の知識が、ネットから手に入ってしまう。
やり方も、業界の常識も、別の会社の事例も、調べれば出てくる。
そうなると、「なぜ」抜きの「そういうものだ」は、通用しません。
後輩はすでに別の情報を持っていて、それと照らし合わせているからです。
この、時代ごとの情報格差。
それがそのまま、仕事における世代間ギャップに大きく影響しているのだと思います。
同じ言葉で話すために
どちらが正しいか、ではない
必要なのは、相互に理解することです。
どちらが正しいか、ではありません。違う時間軸で学んできた、ということ。
先輩は先輩の時代に合った学び方をし、後輩は後輩の時代に合った学び方をしてきた。それだけです。
共通のルールと目標を見つける
その上で、共通のルールと目標を見つけなければなりません。
そこで初めて、同じ言葉で話すことができるようになります。
ここで大事なのは、経験で話さないことです。
「自分はこうやってきた」ではなく、その経験で理解した理由を説明する。
「なぜそうするのか」が言葉になって初めて、後輩が持っている別の情報と、つなぎ合わせることができます。

2つの実践
同じ目標に向かって進むためにはどうするべきか。
その視点で協力し合うほうが、会社として建設的だと思います。実践としては、この2つです。
若手には、「その考えや知識が、どこに向かっているのか」を一緒に整理してみる。
持っている情報は多い。でも、それが会社のどの目標につながるのかは、まだ見えていないことが多いからです。
シニアには、「これまでの経験や勘を、言葉で説明してみる」ことを試みてもらう。
長くやってきた人ほど、理由が体に入っていて言語化されていない。言葉にしてみると、若手が「そういう理由があったのか」と腑に落ちる瞬間があります。
- POINT:
同じ言葉で話すための2つ
・若手には、その考えや知識が「どこに向かっているのか」を一緒に整理する
・シニアには、経験や勘を「言葉で説明してみる」ことを試みてもらう
まとめ
共通の目標は、企業ビジョンそのもの
これが今、世代間ギャップを埋めるために必要なことなのかもしれません。
そしてこの考え方は、世代の間だけでなく、業種や環境が違う人同士が協力するときにも役に立ちます。
違う時間軸、違う文化で学んできた人たちが、同じ言葉で話すために、共通の目標を持つ。
その企業にとっての共通の目標。それが、いわゆる企業ビジョンというものなのでしょう。
改めて、ビジョンの大切さを考えさせられる話でした。
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