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「かっこいいサイトにしてください」の「かっこいい」は、業界ごとに違う

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2026.10

デザイナー S.A

更新:2026.10.21

この記事は約6分で読めます

「かっこいいサイトにしてください」

打合せで、よく言われる言葉です。
でも、士業の先生と音楽イベントの主催者では、その「かっこいい」は正反対です。

これまで、不動産、建築、飲食、学校、航空会社、スポーツ施設、行政、士業、イベント、芸能と、いろいろな業界のサイトを作ってきました。そのたびに、業界ごとにまったく違う文化があると感じます。

この記事は、その文化をどう掴み、どうデザインに落とすかの話です。

「かっこいい」の基準は、業界によってまるで違う

同じ言葉で、正反対のものを指している

士業のサイトで求められるのは、信頼と落ち着きです。明朝や細めのゴシック、広い余白、紺やグレー。
音楽イベントのサイトで求められるのは、熱量です。太いゴシック、詰めた文字、強い色。
どちらも「かっこいい」。良い悪いではなく、その業界が長い時間をかけて育ててきた文化です。

業界ごとの「かっこいい」の目安

業界ごとの「かっこいい」の目安(私たちの現場感)

業界求められる印象見た目の傾向言葉の傾向
士業信頼・誠実明朝や細めのゴシック、余白を広く、紺・グレー丁寧に、言い切りすぎない
音楽・イベント熱量・非日常太いゴシックや英字、詰めて大きく、黒・強い色短く、勢いよく
学校・教育安心・将来やわらかいゴシック、明るい色、生徒の写真生徒と保護者の目線で
建設・工務店堅実・実績太めのゴシック、現場の写真、紺やオレンジ数字と実績で語る

あくまで目安で、同じ業界でも会社ごとに違います。大事なのは、手を動かす前に「その業界の空気」を知ることです。

POINT:

「かっこいい」は業界ごとに正反対になることがある
良い悪いではなく、業界が育ててきた文化の違い
手を動かす前に、その業界の空気を知る

うまくいかない案件は、ここでズレている

「デザイン的にはこっちが良い」を押しつけない

制作側が自分の「かっこいい」を持ち込むと、業界の文化とぶつかります。
うまくいかなかった案件を振り返ると、たいていここでズレていました。
修正が何往復しても決まらないときは、デザインの良し悪しではなく、基準そのものが合っていないことが多いです。

お客さんとデザイナーが同じ「かっこいい」という言葉で、まったく違う画面を思い浮かべている

ズレは、最初の打合せで防げる

見た目の好みを聞く前に、その業界で「信用されるもの」と「軽く見られるもの」を聞きます。
これだけで、提案の方向が大きく外れることはほぼなくなります。

POINT:

自分の「かっこいい」を持ち込むと、業界の文化とぶつかる
修正が決まらないときは、基準がズレている
最初に「信用されるもの」と「軽く見られるもの」を聞く

制作のプロである前に、業界の素人として

お客さんは、その業界のプロ

私たちはWebのプロでも、お客さんの業界については素人です。
何十年もその世界で仕事をしてきた人の知見に、かなうはずがありません。ここを認めるところから始めます。

「それが当たり前なんですか?」と聞く

打合せで素直に聞くと、だいたい嬉しそうに話してくれます。当たり前すぎて、誰にも聞かれたことのない話だからです。
その話の中に、何を大きく見せるか、どんな言葉が信用されるかという、デザインの核心があります。

デザイナーがノートを手に、職人の話を身を乗り出して聞いている

POINT:

お客さんは業界のプロ、こちらは業界の素人
「それが当たり前なんですか?」と素直に聞く
業界の当たり前の中に、デザインの核心がある

両方のプロが揃うと、本物のサイトになる

学んだら、Webの側から返す

学ぶだけでは、言われた通りに作るだけになります。
業界の文化を受け止めたうえで、「それならWebではこう見せましょう」と返す。この往復ができたサイトは、公開後も強いです。
どう伝えれば響くかは、人と人のやりとりからしか出てこない。これは以前、AIでデザインを試した記事でも書きました。

業界のプロとWebのプロが、パズルのピースを持ち寄って1枚のサイト画面を組み上げている

手間はかかる。でも、それが仕事

業界ごとに調べ直す手間はかかります。ゼロから学び直す場面も少なくありません。
それでも丁寧に踏むと、その業界の人から「よくわかってくれている」と言ってもらえるサイトになります。

POINT:

学ぶだけでなく、Webの側から「こう見せましょう」と返す
その往復ができたサイトは、公開後も強い
手間はかかるが、それが「わかってくれている」につながる

まとめ

業界を「知る」ことが、デザインより先に来る

「かっこいい」は、業界ごとに違います。だから最初の仕事は、デザインより先にその業界を知ることです。
もし手が止まっている案件があるなら、その業界のサイトを20社まとめて見てください。その業界の「かっこいい」の基準と、まだ誰もやっていない余白が、同時に見えてきます。
「うちの業界のことから聞いてほしい」という方も、お気軽にご相談ください。

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ブログを書いた人

デザイナー S.A

見た目の美しさだけでなく、伝わるデザインを追求しています。クライアントの想いを形にする瞬間が、この仕事の一番の醍醐味です。

業界のことから、お気軽にご相談ください。

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