「かっこいいサイトにしてください」の「かっこいい」は、業界ごとに違う
22
2026.10
更新:
「かっこいいサイトにしてください」
打合せで、よく言われる言葉です。
でも、士業の先生と音楽イベントの主催者では、その「かっこいい」は正反対です。
これまで、不動産、建築、飲食、学校、航空会社、スポーツ施設、行政、士業、イベント、芸能と、いろいろな業界のサイトを作ってきました。そのたびに、業界ごとにまったく違う文化があると感じます。
この記事は、その文化をどう掴み、どうデザインに落とすかの話です。
「かっこいい」の基準は、業界によってまるで違う
同じ言葉で、正反対のものを指している
士業のサイトで求められるのは、信頼と落ち着きです。明朝や細めのゴシック、広い余白、紺やグレー。
音楽イベントのサイトで求められるのは、熱量です。太いゴシック、詰めた文字、強い色。
どちらも「かっこいい」。良い悪いではなく、その業界が長い時間をかけて育ててきた文化です。
業界ごとの「かっこいい」の目安
業界ごとの「かっこいい」の目安(私たちの現場感)
| 業界 | 求められる印象 | 見た目の傾向 | 言葉の傾向 |
|---|---|---|---|
| 士業 | 信頼・誠実 | 明朝や細めのゴシック、余白を広く、紺・グレー | 丁寧に、言い切りすぎない |
| 音楽・イベント | 熱量・非日常 | 太いゴシックや英字、詰めて大きく、黒・強い色 | 短く、勢いよく |
| 学校・教育 | 安心・将来 | やわらかいゴシック、明るい色、生徒の写真 | 生徒と保護者の目線で |
| 建設・工務店 | 堅実・実績 | 太めのゴシック、現場の写真、紺やオレンジ | 数字と実績で語る |
あくまで目安で、同じ業界でも会社ごとに違います。大事なのは、手を動かす前に「その業界の空気」を知ることです。
- POINT:
「かっこいい」は業界ごとに正反対になることがある
良い悪いではなく、業界が育ててきた文化の違い
手を動かす前に、その業界の空気を知る
うまくいかない案件は、ここでズレている
「デザイン的にはこっちが良い」を押しつけない
制作側が自分の「かっこいい」を持ち込むと、業界の文化とぶつかります。
うまくいかなかった案件を振り返ると、たいていここでズレていました。
修正が何往復しても決まらないときは、デザインの良し悪しではなく、基準そのものが合っていないことが多いです。

ズレは、最初の打合せで防げる
見た目の好みを聞く前に、その業界で「信用されるもの」と「軽く見られるもの」を聞きます。
これだけで、提案の方向が大きく外れることはほぼなくなります。
- POINT:
自分の「かっこいい」を持ち込むと、業界の文化とぶつかる
修正が決まらないときは、基準がズレている
最初に「信用されるもの」と「軽く見られるもの」を聞く
制作のプロである前に、業界の素人として
お客さんは、その業界のプロ
私たちはWebのプロでも、お客さんの業界については素人です。
何十年もその世界で仕事をしてきた人の知見に、かなうはずがありません。ここを認めるところから始めます。
「それが当たり前なんですか?」と聞く
打合せで素直に聞くと、だいたい嬉しそうに話してくれます。当たり前すぎて、誰にも聞かれたことのない話だからです。
その話の中に、何を大きく見せるか、どんな言葉が信用されるかという、デザインの核心があります。

- POINT:
お客さんは業界のプロ、こちらは業界の素人
「それが当たり前なんですか?」と素直に聞く
業界の当たり前の中に、デザインの核心がある
両方のプロが揃うと、本物のサイトになる
学んだら、Webの側から返す
学ぶだけでは、言われた通りに作るだけになります。
業界の文化を受け止めたうえで、「それならWebではこう見せましょう」と返す。この往復ができたサイトは、公開後も強いです。
どう伝えれば響くかは、人と人のやりとりからしか出てこない。これは以前、AIでデザインを試した記事でも書きました。
技術の時代から、ヒトの時代に。AIデザインを数ヶ月やって見えたこと

手間はかかる。でも、それが仕事
業界ごとに調べ直す手間はかかります。ゼロから学び直す場面も少なくありません。
それでも丁寧に踏むと、その業界の人から「よくわかってくれている」と言ってもらえるサイトになります。
- POINT:
学ぶだけでなく、Webの側から「こう見せましょう」と返す
その往復ができたサイトは、公開後も強い
手間はかかるが、それが「わかってくれている」につながる
まとめ
業界を「知る」ことが、デザインより先に来る
「かっこいい」は、業界ごとに違います。だから最初の仕事は、デザインより先にその業界を知ることです。
もし手が止まっている案件があるなら、その業界のサイトを20社まとめて見てください。その業界の「かっこいい」の基準と、まだ誰もやっていない余白が、同時に見えてきます。
「うちの業界のことから聞いてほしい」という方も、お気軽にご相談ください。
業界のことから、お気軽にご相談ください。




